厚生年金加入年齢が75歳になり繰り下げ受給をしない場合

厚生年金加入年齢が75歳になり繰り下げ受給をしない場合

厚生年金の加入年齢が75歳に引き上げられることが政府から発表されました。これは、高齢者の就労意欲や能力を高め、社会保障費の抑制を図るための施策です。しかし、この変更には賛否両論があります。一方では、長寿社会に対応し、年金制度の持続可能性を確保する必要性が指摘されています。他方では、高齢者の健康状態や雇用環境に配慮が不足しているとの批判があります。本記事では、厚生年金の加入年齢引き上げの背景と意義、そして問題点について解説します。

厚生年金の加入年齢引き上げの背景と意義

厚生年金は、被保険者とその家族に対して老齢、障害、死亡などの場合に給付を行う社会保険制度です。現在、厚生年金の加入対象者は、一般的には60歳までの雇用者とその配偶者です。しかし、60歳以降も就労している場合は、75歳まで任意で加入することができます。この場合、厚生年金の受給開始年齢は65歳ですが、受給開始を遅らせることで給付額を増やすことができます。これを繰り下げ需給と呼びます。

政府は、2023年度から厚生年金の加入対象者を75歳まで拡大することを決定しました。これは、日本の高齢化率が世界最高水準に達し、年金財政が逼迫していることに対応するための措置です。政府は、厚生年金の加入者数を増やすことで、年金収入を増やし、給付水準を維持することを目指しています。また、高齢者の就労機会を拡大し、社会参加や健康促進にもつなげることを期待しています。

厚生年金の加入年齢引き上げの問題点

一方で、厚生年金の加入年齢引き上げには様々な問題点も指摘されています。まず、高齢者の健康状態や能力に個人差があることから、一律に75歳まで働かせることは適切ではないという意見があります。また、高齢者の雇用環境も十分ではなく、安定した収入やキャリア形成が困難な場合も多いという現実があります。さらに、厚生年金の受給開始年齢も75歳まで引き上げられることになりますが、これは繰り下げ需給のメリットを失わせることになります、

厚生年金の受給開始年齢も75歳まで引き上げられるメリット、デメリットは

こんにちは。今回は、2022年4月から施行された年金制度改正についてお話ししたいと思います。特に、厚生年金の受給開始年齢が75歳まで引き上げられたことについて、メリットとデメリットを考えてみましょう。

厚生年金の受給開始年齢とは、厚生年金に加入していた人が、老齢厚生年金を受け取ることができる最も早い時期のことです。通常は65歳から受給できますが、繰り上げ受給や繰り下げ受給を選択することで、60歳から75歳までの間で自由に決めることができます。

繰り上げ受給とは、65歳より前に年金を受け取ることです。早くから安定した収入を得ることができますが、受給額は減額されます。減額率は1ヵ月あたり0.4%(1962年4月2日以降生まれの場合)で、最大で24%減額されます。

繰り下げ受給とは、65歳より後に年金を受け取ることです。遅くから受給する分、受給額は増額されます。増額率は1ヵ月あたり0.7%で、最大で84%増額されます。

では、厚生年金の受給開始年齢を75歳まで引き上げられることによって、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?

【メリット】
厚生年金の受給開始年齢を75歳まで引き上げられることのメリットは、以下のような点が挙げられます。

- 65歳以降も働き続ける人にとっては、働きながら年金を貯めることができます。働く意欲や能力がある人には、長く社会参加する機会が広がります。
- 75歳から受給する場合、65歳から受給する場合よりも1ヵ月あたりの受給額が約1.8倍になります。高齢期の生活費や医療費などに備えることができます。
- 繰り下げ受給することで、国民年金や厚生年金の財政的な持続性に貢献することができます。少子高齢化によって年金制度が将来的に危機に陥る可能性を低減することができます。

【デメリット】
厚生年金の受給開始年齢を75歳まで引き上げられることのデメリットは、以下のような点が挙げられます。

- 75歳まで働けるかどうかは個人差があります。健康状態や職業や雇用形態などによっては、長く働けない。